2016年11月15日

尼崎アスベスト訴訟(労災型) 最高裁が「上告棄却」の暴挙

最高裁が労災認定されても、「石綿濃度は低かった」と、誰の責任も問わない高裁判決を追認。
大企業・国の意向に沿う、労働者の命を軽視した不当決定。

尼崎市のクボタ旧神崎工場に下請け業者として石綿運搬作業に従事し肺がんで亡くなった運転手の遺族が国とクボタに、耐熱材として石綿製品を使用し暴露を受けて肺がんで亡くなった溶接工の遺族が国に、それぞれ損害賠償を求めていた裁判で、大阪高裁大法廷(佐村浩之裁判長)が、石綿の規制を怠った国と加害企業・クボタの責任を問うことに背を向けるひどい判決だったために最高裁判所に上告していましたが、11月10日、最高裁第二小法廷は「上告棄却」を決定し、原告に通知してきました。これにより、大阪高裁判決が確定しました。
これで、2009年10月13日の神戸地裁での第1回弁論から7年間、経済優先より働く者の命の優先を訴えて闘いを継続してきました。極めて不当な「決定」ではありますが、法廷での闘いは終了することになりました。
地裁、高裁の大法廷をいつも満席にして原告を励まし、署名活動等で裁判闘争を支えていただいた広範な団体・個人のみなさまに、心から感謝申し上げます。
尼崎市ではクボタ旧神崎工場のからの甚大なアスベストの飛散(クボタが「認定」した周辺住民被害者292人)により、全国平均の10倍の中皮腫患者が発生しており、クボタが操業していた尼崎市小田地域では30~50倍の被害が出ています。私たちは今後もアスベスト被害者に寄り添って、解決のために全力を尽くします。

尼崎アスベスト(労災型)訴訟の経過

原告は、尼崎市のクボタ旧神崎工場に下請け業者として石綿運搬作業に従事し肺がんで亡くなった運転手と、耐熱材として石綿製品を使用し暴露を受けて肺がんで亡くなった溶接工の2遺族。(2名とも労災認定済み)
7年前の2009年10月13日に神戸地方裁判所で審理がはじまり、2014年3月26日の結審まで22回の弁論が行われ、2015年3月23日の地裁判決は、原告の請求を否定した、労働者の生命よりも産業を優先させ、国の責任を不問とする不当な判決だった。
「飛散していたアスベストは高濃度ではなかった」という。原告らは直ちに控訴した。
控訴審は、2015年9月7日の審理からスタートし、3回の審理を経て2016年5月26日に高裁判決があった。原告敗訴。高裁判決も、労災認定と矛盾する判断であり、しかも労働者がいつどこでアスベストに曝露したのかを、何十年もさかのぼって立証するという不可能を強いる極めて不当な判断だった。クボタが局所排気装置により十分な対策をしていたというのは、重大な事実誤認(有効な排気装置を付けておれば、旧神崎工場周辺住民に被害が出ることはなかった)である。被告クボタの従業員に多数の労災認定者が出ている事実が,被告クボタの対策の不十分を裏付けている。
国・加害企業の責任を明確にしない限り真の救済策はできないと上告。最高裁は9月16日、第二小法廷で審理を開始すると通知。2か月足らずの11月9日付で最高裁が「本件上告を棄却する」と決定し、翌10日に通知が届く。

以上

2016年11月15日

最高裁向けの署名活動を中止します

ご支援いただいている関係団体各位
支援者の皆さん

尼崎アスベスト(労災型)訴訟 最高裁が「上告棄却」。
これまでの署名のご協力に感謝し、署名活動を中止いたします。ご支援、ありがとうございました。

2016年11月14日
アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会
会長 船 越 正 信

尼崎アスベスト訴訟(労災型)は、溶接工とクボタの旧神崎工場にアスベストを搬入していたトラック運転手が、それぞれアスベスト曝露が原因で肺がんに罹患して亡くなったため、その遺族が、規制を怠った国、労働者に対する安全配慮義務を怠ったクボタに対し、それぞれ責任を明確にするために賠償を求めたものでした。
2015年3月の神戸地裁判決は、1961年から1967年までアスベスト曝露していたトラック運転手については、その当時、低濃度のアスベスト曝露によって重大な健康被害が生じるとの医学的な知見は確立されていなかったとして、国とクボタの責任を否定。また、1968年から1997年までアスベスト曝露していた溶接工については、労災認定を受けていたにも関わらず、具体的な作業内容やアスベストへの曝露状況が不明であり、高濃度のアスベスト曝露とはいえないとして、国の責任を否定しました。しかも、地裁判決は、従来の裁判例を否定したもので、医学的知見が確立されていない限りは労働者の健康を考慮せずに自由な企業活動ができるという、人命よりも企業活動を優先する特異なものでした。
大阪高裁も2016年5月26日の判決で、「認定事実を総合的に用いて評価するという因果関係の判断手法に関する最高裁判例」に反する不当なものでした。
ご存知のように、アスベストによる健康被害は、低濃度曝露であっても、20~50年経過後に肺がんや中皮腫発症の可能性はあるのです。私たちは、深刻なアスベスト被害に正面から向き合い、働くもののいのちと健康を尊重する、公平かつ公正な判決を下されるよう最高裁に審理の差し戻しを求めてきました。「この裁判での勝利なしに、全国で泣き寝入りさせられている労災被害者の完全救済はない」との思いから、最高裁に上告したのです。
上告理由書の審理が始まって、2か月足らずで、最高裁第二小法廷から、突然「上告を棄却する」決定通知が届きました。お願いしていました署名活動を中止せざるを得なくなりましたことをお詫びいたします。
おびただしい中皮腫や肺がんの被害が出ている全国のアスベスト被害者の立場に立った審理を尽くしたのか、最高裁の「決定」に強い憤りをおぼえます。私たちは、この不当な最高裁「決定」にくじけることなく、被害者に寄り添い、救済活動の継続と、ハイリスク者の検診制度充実、全面的な賠償制度の確立に力を注ぎます。
これまでの力強いご支援に感謝申し上げますとともに、引き続くご協力をお願い申し上げます。

以上

2016年11月15日

尼崎アスベスト訴訟(労災型)最高裁決定に対する声明文

尼崎アスベスト訴訟(労災型)最高裁決定に対する声明文

2016(平成28)年11月14日

兵庫尼崎アスベスト訴訟原告団
アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会
兵庫尼崎アスベスト訴訟弁護団

1 最高裁判所第二小法廷(菅野博之裁判長)は,2016年11月9日付で「本件上告を棄却する」と決定し,原告らの上告を棄却し,上告受理申立を受理せず,国及び加害企業・クボタの賠償を認めなかった。
2 本訴訟は,溶接工として長年働いていた労働者と,クボタ旧神崎工場に石綿原料等を運搬していたトラック運転手が,それぞれ石綿ばく露が原因で肺ガンに罹患して死亡したため,その遺族が,溶接工については規制を怠った国に対し,トラック運転手については,規制を怠った国と労働者に対する安全配慮義務を怠ったクボタに対し,賠償を求めたものである。
3 原審である大阪高等裁判所は,その判決において,溶接工については石綿曝露の事実が認められないとして,国の責任を否定した。また,トラック運転手については,石綿原料の搬入作業を通常業務として行っていたとはいえないと認定し,新たな証拠調べ手続きを行うことなく,一審である神戸地裁判決と全く逆の事実認定を行い,原告らの請求をいずれも棄却した。
4 原審判決は,石綿に曝露したことを認めた労災認定と矛盾する判断であり,しかも,労働者が,何十年も前の石綿曝露の具体的な事実を,具体的かつ詳細に立証を強いる不当な判決である。本件最高裁の決定は,こうした不当な原審判決を確定させるものであり,我々は,最高裁の本決定に強く抗議するものである。
5 我々は,国やクボタをはじめとする石綿使用企業の責任を明確にしない限り,真の石綿被害者の救済につながらないことを訴えて,裁判闘争を行ってきた。本件裁判は,不当な結果となったが,石綿曝露による被害者は,今後も益々増え続けることを予想されるが,今なお続く深刻な石綿被害者の救済のために,国と石綿関係企業に対し,被害者に対する医療と生活面への全面的な補償制度の確立を求めるとともに,石綿被害者が真に救済されるため,我々は,裁判闘争を今後も行い,被害者に寄り添う救済活動を継続する。

以上

2016年9月12日

労災型、最高裁に上告受理申立て理由書を提出

「高裁判決は、因果関係の判定手法に関する最高裁判例違反」

5月26日、大阪高裁大法廷(佐村浩之裁判長)が被害者の控訴を棄却しました。石綿の規制を怠った国と加害企業・クボタの責任を問うことに背を向けるひどい判決でした。
この裁判は、尼崎市のクボタ旧神崎工場に下請け業者として石綿運搬作業に従事し肺がんで亡くなった運転手の遺族が国とクボタに、耐熱材として石綿製品を使用し暴露を受けて肺がんで亡くなった溶接工の遺族が国に、それぞれ損害賠償を求めていたものです。

原告の山本さんと藤原さんは、弁護団と相談し、「高裁判決は誤りだ。泣き寝入りはできない」と、最高裁に上告する準備を進め、このたび、最高裁に「上告受理申立て理由書」を7月28日に提出しました。

高裁判決は、大企業・国の意向に沿う形で事実をねじまげたもの

「理由書」では、山本さんの労災死亡は、裁判官が、クボタ旧神崎工場内のアスベスト飛散が深刻だったことを無視して「(アスベスト粉じんばく露が)格段に低い」との推論をたて、自らの推論に沿わない事実を無視して組み立てたものにほかならないと指摘。したがって、高裁判決は、「認定事実を総合的に用いて評価するという因果関係の判断手法に関する最高裁判例」に違反するものです。しかも、不法行為ないし安全配慮義務違反の因果関係の解釈適用の違法があり、総合考慮を支えるべき経験則違反に該当することを主張しています。
高裁が間接事実を総合的に適正に評価すれば、クボタの加害責任は明らかです。まず、①山本さんがクボタの下請け業者として旧神崎工場の出荷作業場で仕事をしていたこと、②旧神崎工場では大量のアスベスト粉じんが飛散していたこと、③出荷作業場は屋外にあったために工場敷地内の飛散粉じんに容易に暴露しえたこと、④敷地内だけでなく工場周辺にも粉じんが大量に飛散していたこと、⑤クボタ労働者の労災認定数の多さ、⑥クボタ下請け業者にも石綿による肺がん事例が多くあること、⑦クボタ旧神崎工場周辺住民にも多大な被害者がいること、⑧クボタ自身が工場から1km以内に1年以上居住していた者であれば石綿被害に遭うことを自認していること、⑨クボタ旧神崎工場が発がん危険性の高い青石綿を大量に使用していたこと、⑩山本さんには胸膜プラークが認められ、主治医も石綿との因果関係を指摘し、厚労省もアスベストによる肺がんであると労災決定をした事実、などです。
これらを総合すると、山本さんの肺がんの原因は、クボタからのアスベスト飛散のばく露であることは明確です。しかし、大阪高裁は、あたかも最初から「クボタの加害責任、国の規制責任はなかった」という偏った判決を書くために、事実をねじ曲げたことを上告理由書では強調しています。
藤原さんについても、アスベストによる肺がんとして労災認定されているにもかかわらず、「(アスベスト以外でも)肺がんを発症した可能性が十分にあり、因果関係を認めるに足りない」と事実を無視したものであり、労働者の生命や健康よりも経済活動を優先した許せないものと指摘し、高裁判決を差し戻すよう求めています。

以上

2016年5月31日

大阪高裁の不当判決を受けての声明文

5月26日の大阪高裁の不当判決を受け、原告団、弁護団、アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会は、判決後の報告集会で以下の声明文を発表しました。

声  明  文

2016(平成28)年5月26日

兵庫尼崎アスベスト訴訟原告団
兵庫尼崎アスベスト訴訟弁護団
アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会

本日,大阪高等裁判所第1民事部(裁判長:佐村浩之)は,原告らの請求を棄却し,一審被告国及び一審被告クボタに対し,賠償を認めなかった
本訴訟は,溶接工として長年働いていた労働者と一審被告クボタの工場に石綿原料を運搬する等していたトラック運転手が,それぞれ石綿ばく露が原因で肺ガンなどに罹患して死亡したため,その遺族が,規制を怠った国及び労働者に対する安全配慮義務を怠った一審被告クボタに対し,賠償を求めたものである。
本判決は,溶接工については石綿エプロン等を使用していたこと自体が明らかでなく,曝露の事実が認められないとして,一審被告国の責任を否定した。また,トラック運転手につき,石綿製品の搬出作業を行っていたにすぎず,石綿原料の搬入作業を通常業務として行っていたと認められない,また,従事期間も4~5年と一審判決より短期間であり,肺がん発症に影響する程度の石綿暴露を否定し,一審原告らの請求をいずれも棄却した。
本判決は,原判決に引き続き,石綿に曝露したことを認めた労災の認定と矛盾する判断であり,しかも,労働者がいつどこで,どの程度の量のアスベストに曝露したのかを,何十年もさかのぼって,具体的かつ詳細に立証を求めるという不可能を強いる極めて不当な判断である。
大阪・泉南アスベスト最高裁判決で国や加害企業の責任に一端が明らかになったにも関わらず,本判決は,これら責任を否定しており,極めて不当な判決である。さらに,国の責任を認めた建設アスベスト大阪訴訟判決,国に加え,石綿建材を製造販売した企業にも責任を認めた建設アスベスト京都訴訟判決が相次ぎ,アスベスト被害者救済を求める世の中流れに逆行するものと言わざるを得ない。
我々は,本判決に対し,直ちに上告を検討するとともに,国とアスベスト関係企業に対し,被害者に対する医療と生活面への全面的な補償制度の確立を求めるものである。

以上

2016年5月29日

労災型・尼崎アスベスト訴訟 大阪高裁が不当判決

労災認定されても石綿関連死を否定する暴挙

石綿の規制を怠った国と加害企業・クボタの責任を問う尼崎アスベスト訴訟(労災型)の控訴審判決が26日、大阪高裁大法廷(佐村浩之裁判長)であり、被害者の控訴を棄却しました。
この裁判は、尼崎市のクボタ旧神崎工場に下請け業者として石綿運搬作業に従事し肺がんで亡くなった運転手の遺族が国とクボタに、耐熱材として石綿製品を使用し暴露を受けて肺がんで亡くなった溶接工の遺族が国に、それぞれ損害賠償を求めていたものです。
判決は、「石綿運搬作業での肺がん発症と本件(クボタ旧神崎)工場での石綿暴露との間には因果関係を認めるに足りない」、「溶接工の肺がん罹患は、従事していたと認められる石綿取扱業務との因果関係を認めるに足りない」と被害者を切り捨 て、「原告の請求はいずれも理由がない」と言い切りました。神戸地裁判決が「低濃度の石綿曝露」、「具体的な曝露状況が不明」として国・クボタの責任を免罪しましたが、これ以上に不当なものです。

被害者に、いつどこで、どの程度のアスベストに暴露したのかを、何十年もさかのぼって、具体的かつ詳細に立証を求めるという不可能を強いる極めて不当な判断。上告を検討。…………原告、弁護団、「尼崎の会」が声明

判決後の報告集会で、原告団、弁護団、アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会は連名で「声明文」を発表。和田信也弁護団事務局長は、肺がんと明らかに暴露を受けていた石綿の因果関係を認めず、国とクボタの責任を否定した判決について、石綿に暴露したことを認めて労災認定されていることの矛盾を指摘。被害者に何十年もさかのぼって、具体的かつ詳細に立証責任を求める不当性を告発し、各地の裁判での石綿被害者救済の流れに逆行するものと厳しく糾弾しました。
声明文では「本判決に対し、直ちに上告を検討するとともに、国とアスベスト関連企業に対し、被害者に対する医療と生活面への全面的な補償制度」を求めています。
原告の2人が、傍聴、報告集会に詰めかけた130人の支援者に感謝するとともに、判決への思いを語りました。

以上

2016年4月1日

5月26日に、労災型・尼崎アスベスト訴訟の大阪高裁判決

山本隆彦さん、藤原信之さんの遺族が、加害企業・クボタとアスベストの規制を怠った国の責任認めるように訴えた大阪高裁での裁判は、2月15日に結審しました。
この労災型アスベスト訴訟控訴の結審で、原告弁護団は、労働者の生命よりも産業活動を優先させた神戸地裁判決を厳しく批判し、1月22日の大阪建設アスベスト訴訟大阪地裁判決、同22日の京都建設アスベスト訴訟京都地裁判決が、双方とも国の責任を認めていることにふれ、「加害企業が利益追求のために安全策をとらず、そのしわ寄せが労働者の命に及んだこと、国の不作為が被害を拡大させた事実を真摯に受け止め、経済活動を優先させるのか、人命・健康を優先させるのかという価値判断を伴う重要な事件であることを認識の上、公正な判断を」と訴えました。
いよいよ大阪高裁で5月26日午後1時20分に判決が言い渡されます。
労災型の尼崎アスベスト訴訟判決を、これまでの運動の総仕上げと位置づけ、大法廷を埋めつくしましょう。多くのみなさんの参加をお願いします。

集合時間  5月26日(木) 12時30~
集合場所  大阪高等裁判所 南の広場(大阪高裁の真南)

判決後の報告集会は、大阪市中央公会堂・小集会室で開催します。こちらへの参加もよろしくお願いいたします。

2016年2月19日

労災型・尼崎アスベスト訴訟 控訴審判決公判は、5月26日

労災型・尼崎アスベスト訴訟は、2月15日の第三回審理で結審となり、大阪高裁の判決公判が5月26日(木)と決まりました。午後1時20分に判決が言い渡されます。
判決日当日の行動につきましては、別途、ご案内いたします。

以上

2016年2月19日

2月15日の労災型・尼崎アスベスト訴訟控訴審第三回弁論の内容

2016年2月15日の労災型・尼崎アスベスト訴訟控訴審第三回弁論で、原告弁護団が主張した内容は、以下の通りです。

1、平成28年1月22日,関西建設アスベスト大阪訴訟の判決の言渡しが大阪地裁でありました。
この訴訟は,建設現場で使用された建材から石綿粉じんが飛散し,それにばく露して,石綿肺,肺がん及び中皮腫を発症した建設労働者とその遺族ら30人が原告として,建材の製造メーカーと国に対し,被害の賠償を請求した事件です。この事件で,大阪地方裁判所第16民事部は,規制に遅れがあったとして国の責任を認め,原告14人に対して計9746万円を支払うよう国に命じました。
争点となったのは,労働者に石綿の危険性を警告し,防じんマスクの着用をさせる義務を,事業者に課すべき時期です。
判決では,建設現場での石綿被害の危険性について,国は,遅くとも1975年(昭和50年)までに認識できたと判断し,1975年(昭和50年)10月から着用を義務づけるべきだったと指摘しました。国が実際にこれを義務化したのは1995年(平成7年)でした。
さらに,大阪地裁は,1995年(平成7年)に,国が石綿の製造を禁止するにあたり,白石綿を除外したことも違法と判断しました。国が白石綿も含めた全石綿を原則使用禁止としたのは,2004年(平成16年)のことです。

2、関西建設アスベスト訴訟の判決に続き,平成28年1月29日には,京都地方裁判所でも,国と企業を被告する建設アスベスト訴訟判決が,言い渡されました。
京都地方裁判所第4民事部は,大阪地裁の判断からさらに一歩進め,国の責任だけでなく,建材メーカー9社に対しても責任を認め,国に対し,総額1億418万3331円,企業らに対し,総額1億1245万3331円円の支払を認める判決を言い渡しました。
この京都地裁判決でも,1971年(昭和46年)頃ないしは1972年(昭和47年)頃に,国が規制権限を行使すべできあったとして,国の規制権限不行使の違法性を認定しました。
また,主要なアスベスト建材企業に対し,警告表示なく販売した石綿含有建材を流通においた,という点につき違法性を認定し,共同不法行為責任を肯定しました。
京都地裁判決は,アスベストの危険性に着目し,人命,健康よりも利益追求が優先されることがないよう正当な判断をしたものであり,高く評価されるべきです。本件訴訟においても,まさに,問われているのは,国,企業の責任です。

3、建設アスベスト訴訟では,東京地裁や福岡地裁でも国の責任が肯定されております。全国の裁判所で国の規制権限行使の遅れが指摘,断罪をされており,アスベスト被害は,国やアスベスト関連企業の責任であることは,もはや明らかです。
ところが,原審である神戸地裁は,こうしたアスベスト被害者の救済の流れに反する判決を下しました。国や企業はアスベストの危険性が認識できなかった,何十年前のアスベストの曝露について詳細な立証がない限り,曝露の事実を認めないとの原審の判断がこうした全国各地の判決とは全く異質の判決であり,控訴審において正されるべきことは明白です。

4、国やクボタは,加害者の立場にあるにも関わらず,その責任を認めようとしません。被害者藤原さんは,国により労働災害であるとの認定を受けています。しかし,国は,被害者藤原さんの石綿曝露の事実を否定するなど,自らが行った労災認定と矛盾をした主張をしています。
また,クボタは,最高裁において確定した別訴において,旧神崎工場の外まで石綿が飛散していることが認定されているにもかかわらず,本件では,被害者山本さんが,旧神崎工場の敷地で,アスベストに大量ばく露をした事実を否定しています。
このような主張一つとっても,国や企業が,生命,健康よりも利益を優先して
守るという意識を有しているとしか思えません。

5、貴裁判所におかれましては,利益を求めてコスト削減を優先したため,そのしわ寄せが労働者の命に及んだという事実を真摯に受け止め,経済活動を優先させるのか,人命,健康を優先させるのかという価値判断を伴う重要な事件であるということを認識の上,公正な判断を下すようお願い申し上げます。

以上

2016年2月19日

労災型・尼崎アスベスト訴訟第三回弁論に90人が傍聴支援

神戸港からクボタにアスベストを運搬して肺がんで死亡した山本隆彦さん(享年63歳)と、溶接作業で耐熱手袋などから飛散したアスベストを吸い込んで肺がんで死亡した藤原信之さん(享年56歳)の遺族が、規制を怠った国とクボタの責任を問う労災型の尼崎アスベスト訴訟の控訴審が2月15日、大阪高裁で第三回弁論が行われました。当日は、雨まじりの木枯らしが吹き荒れる寒い天候でしたが、90人が傍聴し、原告を激励しました。 (続きを読む…)

2016年2月19日

労災型・大阪高裁に996筆を追加提出、累計で12,416筆

アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会は、2月15日、「労働者のいのちと健康を尊重する公平、公正な判決を求めます」署名996筆を第二弾として大阪高裁第一民事部E係に提出しました。累計で12,416筆となりました。

2016年1月18日

労災型 大阪高裁第3回審理は2月15日

尼崎アスベスト(労災型)裁判
控訴審第三回審理!大阪高裁に集まろう!
2月15日(月) 午後1時~
集合場所  大阪高等裁判所 南の広場(大阪高裁の真南)

9月4日の控訴審第一回審理では、原告の藤原ノリエさんが「地裁判決は許せない。もう一度、立ち上がることにしました」、山本美智子さんが「クボタや国の責任が認められるのは当たり前。高裁は私たちの声に耳を傾けて」、と意見陳述し、満席の傍聴者の胸を打ちました。
12月4日の第二回審理では、弁護団が「労働者の命よりも産業を優先させ、国・加害企業の責任を不問とする不当な地裁判決を、厳しく批判し、①『安全配慮義務』は抽象的危険・危惧があれば予見可能性があるとした判例を踏みにじった、②遅くとも1964~65年ころまでに確立していた予見可能性を無視した、③被害者・山本、藤原両氏の「アスベスト曝露濃度が低かった」とする地裁判決は、アスベスト被害の実態を無視したもの」等々と、主張しました。
大阪高裁での第三回の審理が2月15日午後1時30分から開かれます。202号法廷(大法廷)です。傍聴席を埋め尽くしましょう。
多くのみなさんの参加をお願いします。

裁判後の報告集会は、大阪市中央公会堂・小集会室です。

以上

2015年12月10日

労災型・控訴審での第2回弁論の骨子

2015年12月4日の、尼崎アスベスト訴訟・労災型の控訴審第2回弁論で弁護団が主張した骨子を紹介します。 (続きを読む…)

2015年12月8日

12月4日 労災型・大阪高裁第2回弁論を85人が傍聴 

弁護団、国・クボタを免責する地裁判決の誤りを指摘

国とクボタの加害責任を問う労災型の尼崎アスベスト訴訟は4日、大阪高裁202号大法廷で第2回弁論が行われ、原告弁護団が加害企業を免責した神戸地裁判決の誤りを厳しく指摘しました。
当日は、木枯らしが吹き荒れる寒い天候でしたが、85人が傍聴し、原告の藤原ノリエさん、山本美智子さんを激励しました。
弁護団は、神戸地裁判決は「予見可能性」があるというためには①抽象的な危惧では足りない、②アスベストに曝露した水準ごとの健康被害の医学的知見の確立が必要、としていますが、これまでの確定判例では「抽象的危険ないし抽象的危惧があれば予見可能性がある」とされていると指摘。「地裁判決は、人の命や健康を犠牲にしてでも企業の制約なき利潤追求を優先するとうい倒錯した価値判断と言わざるを得ない。国の責任についても『速やかに、技術の進歩や最新の医学的知見等に適合したものに改正すべく、適時にかつ適切に行使されるべき』(筑豊じん肺事件、最高裁平成16年4月27日判決)とあるように、規制のあり方は高度化していくというのが最高裁判例の確立した考え方だ」と主張しました。 (続きを読む…)

2015年12月5日

労災型・大阪高裁に11,450筆を提出

労働者のいのちと健康を尊重する公平、公正な判決を求めます 署名

アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会は、4日、11月末までに寄せられた「労働者のいのちと健康を尊重する公平、公正な判決を求めます」署名11,450筆を第一弾として大阪高裁第一民事部E係に、粕川實則事務局長が提出しました。
今回の署名は、第一回弁論が「結審」となる心配の中で取り組んできましたが、弁論が継続される見込みであり、引き続く署名の取り組みをお願いいたします。

以上

2015年11月6日

12月4日、尼崎アスベスト(労災型)裁判 控訴審第2回審理

大阪高裁に集まろう!

12月4日(金) 午前10時30分~

集合場所 大阪高等裁判所 南の広場(大阪高裁の真南)

9月4日の控訴審第一回審理では、原告の藤原ノリエさんが「地裁判決は許せない。もう一度、立ち上がることにしました」、山本美智子さんが「クボタや国の責任が認められるのは当たり前。高裁は私たちの声に耳を傾けて」、と意見陳述し、満席の傍聴者の胸を打ちました。 弁護団は、控訴理由書を提出しました。労働者の命よりも産業を優先させ、国・加害企業の責任を不問とする不当な地裁判決を、厳しく批判し、①「安産配慮義務」は抽象的危険・危惧があれば予見可能性があるとした判例を踏みにじった、②遅くとも1964~65年ころまでに確立していた予見可能性を無視した、③被害者・山本、藤原両氏の「アスベスト曝露濃度が低かった」とする地裁判決は、アスベスト被害の実態を無視したもの、等々を主張しています。 大阪高裁での第二回の審理が12月 4日午前11時から開かれます。202号法廷(大法廷)です。傍聴席を埋め尽くしましょう。多くのみなさんの参加をお願いします。

裁判後の報告集会は、大阪弁護士会館(12階の大会議室)

以上

2015年9月11日

労災型、大阪高裁での審理始まる

藤原ノリエさん、山本美智子さんが意見陳述

国とクボタの加害責任を問う労災型の尼崎アスベスト訴訟は7日、大阪高裁202号大法廷で第1回目の弁論が行われ、100人が傍聴席を埋め、原告の藤原ノリエさん、山本美智子さんの陳述に耳を傾けました。
今年3月23日の神戸地裁判決は、労働者の命よりも産業を優先させ、国と加害企業・クボタの責任を不問とする不当なものでした。山本、藤原両氏が地裁判決を不服として控訴し、今回の高裁審理となったものです。
藤原さんは陳述で「地裁判決を聞いたとき、裁判は無駄だと思った。しかし、判決は何度読んでも納得できません。今日は夫の18年目の命日。私の後に続く被害者のためにどうしても勝ちたい。納得のできる判決を」と訴え、山本さんも「地裁判決は、夫の命が軽んじられた残念なもの。裁判所はアス ベスト被害のことを少しも理解していない。62歳で苦しみながら亡くなり、運送事業も廃業に追い込まれた被害者の気持ちを高裁は理解してほしい」と訴えました。 (続きを読む…)

2015年9月10日

大阪高裁 尼崎アスベスト訴訟(労災型) 第1回弁論レジュメ

大阪高裁で、2015年9月7日に行われた、尼崎アスベスト訴訟(労災型)の第1回弁論の要旨は、次の通りです。

第1 過失ないし安全配慮義務違反の判断枠組みの判例違背

1 企業責任(クボタの責任)における予見可能性
(1)抽象的危険ないし抽象的危惧があれば予見可能性がある(確定判例)
企業の安全配慮義務違反・不法行為責任が問われる際の「予見可能性の程度」とは,「重大な生命・健康被害が発生するおそれという抽象的危険ないし抽象的危惧を認識していること又はその認識可能性があることで足り,必ずしも生命・健康に対する障害の性質,程度や発症頻度まで具体的に認識し得る必要はない」というのが確定判例です(長崎じん肺訴訟控訴事件・福岡高判平成元年3月31日判例時報1311号36頁ほか)。
この根拠は,特別な社会的接触の関係に入った労働者(下請人の被用者等も含む。)に対しては社会生活上の一般的な義務を超える程度の注意義務を負い,企業が他人を使役して経済的利益を享受する以上は労働者らの生命・健康に配慮すべきだからであり,安全配慮義務違反・不法行為責任を通じて認められています(関西保温工業事件,三井倉庫事件)。 (続きを読む…)

2015年6月26日

労災型・控訴審の第一回審理は9月7日

山本さん、藤原さんを原告とするアスベスト訴訟の大阪高等裁判所での控訴審期日が、下記の日程に決まりました。
大法廷での審理です。傍聴席を埋めつくしましょう。

平成27年9月7日午後2時~
大阪高裁2階 202号法廷

集合時間は、午後1時。大阪高裁南側の公園。

以上


2015年6月10日

労災型・大阪高裁へ控訴理由書を提出

「低濃度の石綿曝露であっても、中皮腫や肺がんに罹患する」

尼崎市内のクボタ旧神崎工場にアスベストを運搬していたトラック運転手、溶接工として石綿エプロンや石綿手袋などを使用して複数の鉄工所に10年以上勤務し、肺がんで死亡した男性の遺族が国とクボタを相手取って訴えていた裁判について、神戸地裁は3月23日、原告の請求を棄却するという不当な判決を下しました。
山本さん、藤原さん両原告と弁護団は、大阪高等裁判所に控訴し、5月26日に控訴理由書を提出しました。
控訴理由書は、山本さんについて「低濃度の石綿曝露によって重大な健康被害が生じるとの医学的知見は確立されていなかった」とし、藤原さんについても「具体的な作業内容や石綿への曝露状況が不明であり、高濃度の石綿に曝露していたとはいえない」として請求を退けた神戸地裁判決を厳しく批判し、丁寧に控訴の理由を述べています。
そもそも、従来の判決例では「予見可能性について、安全性に疑念を抱かせる程度の抽象的な危惧があれば足りる」とされていたにもかかわらず、神戸地裁は「医学的知見が確立されていない限りは労働者の健康を考慮せずに自由な企業活動ができる」という、人命よりも企業活動を優先する特異な判決をしたのです。これでは、被害が発生するまで何もしなくてもよいということになってしまいます。
アスベストは、たとえ低濃度の曝露であっても20~50年の経過を経て肺がんや中皮腫を引き起こすことは周知のことで、山本さん、藤原さんともに「労災」認定されています。神戸地裁が「低濃度の石綿曝露」、「具体的な曝露状況が不明」として国・クボタの責任を免罪したことは許せません。
大阪高裁での初審理は、9月ごろになる見込みです。 確定しましたら、ご案内いたします。

以上

2015年3月25日

神戸地裁の不当判決に関する「声明文」

声  明  文

2015(平成27)年3月23日
兵庫尼崎アスベスト訴訟原告団
兵庫尼崎アスベスト訴訟弁護団
アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会

1 本日、神戸地方裁判所第一民事部(松井千鶴子裁判長)は、原告らの請求を棄却し、被告  国及び被告クボタの賠償責任を認めなかった。
2 本訴訟は、溶接工と被告クボタの工場に出入りしていたトラック運転手が、それぞれ石綿ばく露が原因で肺がんなどに罹患して死亡したため、その遺族が、規制を怠った被告国及び労働者に対する安全配慮義務を怠った被告クボタに対し、それぞれ賠償を求めたものである。
3 本判決は1961(昭和36)年から1967(昭和42)年まで石綿に曝露していたトラック運転手については、その当時、低濃度の石綿曝露によって重大な健康被害が生じるとの医学的な知見は確立されていなかったとし、1968(昭和43)年から1997(平成9)年まで石綿に曝露していた溶接工については、具体的な作業内容や石綿への曝露状況が不明であり、高濃度の石綿に曝露したとはいえないとして、被告らの責任を否定した。
4 本判決は、予見可能性について、安全性に疑念を抱かせる程度の抽象的な危惧があれば足りるとする従来の裁判例を否定した。そして、どの程度の曝露によって健康被害が発生するかについての医学的知見が確立していない限りは、自由な企業活動ができるという、人間の健康を軽視して企業活動を優先する特異な判断をした。
また、本判決は、1973(昭和48)年には低濃度の石綿曝露によっても重大な健康被害を受ける可能性のあることが国際的に認められたと認定しながら、その後も職業曝露が続いていた溶接工について、大量曝露の証明がないとして肺がんの発症と認めるには立証不十分という矛盾した判断をした。石綿に曝露したことを認めた労災の認定とも矛盾している。
5 大阪・泉南アスベスト最高裁判決などで国や加害企業の責任の一端が明らかになったにも関わらず、本判決は、これらの責任を全面的に否定しており、極めて不当な判決である。
6 我々は、本判決に対し、直ちに控訴するとともに、国とアスベスト関連企業に対し、被害者に対する医療と生活面への全面的な補償制度の確立を求めるものである。

以上

2015年3月25日

労災型、神戸地裁が人の健康よりも企業活動を優先する不当判決

尼崎市内のクボタ旧神崎工場へのアスベスト原料の運搬に従事し、肺がんで死亡した男性の遺族がクボタと国を相手に謝罪と損害賠償を訴えていた判決公判が3月23日、神戸地裁で行われ、裁判所は原告の請求を棄却しました。また、溶接工として石綿エプロンや石綿手袋などを使用して複数の鉄工所に勤務し、肺がんで死亡した男性の遺族が国を相手に訴えていた裁判についても、原告の請求も棄却するという不当な判決を下しました。
判決は、運搬に従事した男性が「肺がんを発症したのは石綿粉じんに曝露したことが原因である可能性が高い」と認めながらも、低濃度での曝露によって重大な健康被害が生じるとの医学的な知見は確立していなかったとしてクボタと国の責任を免罪。原告弁護団は「予見可能性について安全性に疑念を抱かせる程度の抽象的な危惧であれば足りるとする従来の裁判例を否定するもの」と厳しく批判。また鉄工所に勤務した男性についても「大量曝露の証明がない」としたが、原告弁護団は「1973年に低濃度の曝露によっても重大な健康被害を受ける可能性のあることが国際的に認められたと認定しながら、『大量曝露がない』と矛盾した判断」、「石綿に職業曝露したことを認めた労災認定とも矛盾している」などと批判しました。
判決後の報告集会で船越正信先生( 「アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会」会長・尼崎医療生協理事長)は「低濃度の被曝でも健康被害が生じることは明らか。規制を怠った国、危険を知りながら使用を続けたクボタの責任は免れない。アスベストによる被害者は現に起きているし、今後全国各地で発生することが予想される。今回の判決は今後の被害者救済の道を狭めるものでもあり到底許されない。直ちに控訴してたたかいを続ける」と力強くあいさつしました。
原告団、弁護団、アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会の連名の「声明文」は別項。

以上

2015年2月20日

御支援に感謝。公害型・最高裁向けの署名は、終了しました

支援者、支援団体のみなさん

最高裁判所第三小法廷は、尼崎アスベスト訴訟の上告受理申立に対して、2月17日付で、不受理と決定し、あわせて被告・クボタの上告も棄却しました。
これにより、昨年3月6日に言い渡された大阪高裁の判決が確定しました。2遺族の原告のうち1遺族に対しては損害賠償を命ずる一方、もう1遺族に対してはクボタの責任が否定されました。国の責任については不問とされました。
この最高裁決定をふまえ、弁護団、「尼崎の会」は声明を発表しました。
この公害型のアスベスト訴訟では、神戸地裁段階から多くの個人、団体のみなさまから御支援をいただき、運動を支えていただきました。心から感謝申し上げます。
神戸地裁の判決に向けての署名は、69,966筆
大阪高裁判決に向けての署名は、97,086筆
最高裁の公正な審理を求める署名は、目標としていた3万を超えました。しかし、突然の今回の決定で、昨年12月24日に提出できたのは、17,806筆でした。
今週、弁護団が最高裁の担当書記官と面談する際に寄せられた署名すべてを提出する予定でしたが、残念ながらかないませんでした。
声明にもある通り、引き続き被害者の救済活動に全力を挙げて取り組む決意です。今後ともご支援をお願いいたします。

以上

2015年2月20日

弁護団と「尼崎の会」が最高裁決定を受け声明を発表

声  明  文

2015年2月19日
尼崎アスベスト訴訟弁護団
アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会

最高裁判所第三小法廷は、平成27年2月17日付けで一審原告及び一審被告クボタからの上告受理申立に対し、不受理と決定し、あわせて一審被告クボタからの上告を棄却した。
これにより、平成26年3月6日付けで言い渡された大阪高等裁判所の判決が確定し、一審原告山内との関係でクボタの加害責任が確定するとともに、一審原告保井との関係でクボタの責任が否定され、一審原告双方との関係で、国の責任が否定された。
クボタは、2005年6月のクボタショック以降、旧神崎工場周辺でアスベスト関連疾患が多発したことと自らが使用し続けてきたアスベストとの因果関係は明らかでないとして、法的責任を否定し続けてきた。しかし本最高裁決定によって、上記大阪高裁判決が確定することとなり、その結果、クボタはその利潤行為のためにアスベストを旧神崎工場周辺に飛散させ、かつそのアスベストが同工場周辺住民に中皮腫など死に至る深刻な健康被害をもたらしていたことが法的に確定することとなった。
クボタは今回の決定をすみやかに受け入れ、同工場周辺住民らへ法的責任を認めて公式に謝罪し、クボタの上から目線も甚だしい「救済金制度」を、加害責任を前提とした賠償金制度へと改めることをここに求める。

もっとも、上記大阪高裁判決はクボタの法的責任範囲を旧神崎工場から300m以内の地域に限定しており、最高裁はこの点の是正を求めた一審原告保井の上告受理申立を受理しなかった。

旧神崎工場周辺における住民の被害は、現在でも増加の一途をたどっており、その被害の範囲は優に1500mに及んでいる。上記最高裁決定は、この歴然とした事実を無視するもので不当であり、弁護団及び「アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会」としては到底受け入れることはできない。

また、本決定は国との関係において、一審原告らの上告受理申立を認めず、国の責任を否定した上記大阪高裁判決を是認した。
昨年10月9日、最高裁判所第一小法廷は、いわゆる大阪泉南アスベスト訴訟において、一定の範囲で石綿労働者に対する国の法的責任を認めたものの、他方では、工場近隣で曝露した被害者に対する国の法的責任を否定した同訴訟一陣大阪高裁判決を是認していた。

本決定は、この最高裁判断を踏襲するものであるが、国は、1989年の大気汚染防止法改正に至るまで、工場周辺住民を健康被害から守るための飛散防止規制を怠り続けていた。1960年代後半には公害問題への国の対応の遅れを反省して公害対策基本法等が立法化され、1972年にはIARC(国際がん研究機関)がアスベストによる工場周辺住民への深刻な健康被害を指摘していたことからすれば、国が飛散規制を行う以外にはその生命・健康を保護することができなかった石綿工場周辺住民を守るためには、遅くとも1972年ころまでには国が飛散規制措置を講じるべきであったことは明らかであり、15年以上もその規制措置を遅らせた国の怠慢は明々白々である。もとより、工場の塀の中か外かで国の責任を区別し、命の重さに格差を設けること自体明らかに不合理である。当弁護団及び「会」は、国が1989年までおよそ何の規制措置も執っていなかったという石綿公害問題の最大の特徴を不問に付した裁判所の判断を受け入れることは到底できないし、その誤りがいずれは明らかになるものと確信する。

アスベストの被害は決して過去の問題ではなく、今なお中皮腫等の健康被害は拡大しており、最高裁が示した一連の判断では国の責任範囲が不十分であることは明らかである。当弁護団、「会」としては、引き続き個々のアスベスト被害者の救済に鋭意取り組み、国・企業の法的責任の範囲拡大を目指し、活動を続ける所存である。

以上

2015年2月20日

最高裁がクボタの責任を認め、賠償が確定

クボタ旧神崎工場(兵庫県尼崎市)周辺の住民に中皮腫などの健康被害が多発しているのは、工場からのアスベスト飛散が原因、国が適切な規制を行わなかったことも被害を拡大させたとして、2遺族がクボタと国の責任を求めた訴訟で、1遺族についてクボタの責任を認め、同社に約3200万円の支払いを命じた大阪高裁判決が確定しました。
最高裁判所第三小法廷(大谷剛彦裁判長)が17日付で、原告とクボタ双方の上告を棄却し、高裁判決が確定したものです。アスベスト工場の周辺住民の被害について、加害企業の責任を認める(ただし、大阪高裁が認めた飛散範囲は、工場から300mと被害実態とはかけ離れたもの)判決が確定したのは初めてのことです。

原告と弁護団が記者会見

原告、弁護団、アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会(以下、「アスベスト尼崎の会」)は19日、神戸地裁司法記者クラブで記者会見し、八木和也弁護団事務局長が「旧神崎工場周辺における住民の被害は現在でも増加の一途をたどっており、その被害範囲は優に半径1.5kmに及んでおり、最高裁決定はこの歴然たる事実を無視する不当なもので、弁護団、『アスベスト尼崎の会』としては到底受け入れられない」「アスベスト被害は決して過去の問題ではなく、今なお中皮腫等の被害が拡大しており、引き続き被害者の救済に全力を挙げ、国・加害企業の法的責任範囲の拡大をめざし、活動を続ける」との声明を発表しました。 (続きを読む…)

2015年1月17日

労災型・神戸地裁判決は3月23日に決定!

提訴から6年。多くの皆さんに支えられて闘ってきた労災型(山本さん、藤原さんが原告)の尼崎アスベスト訴訟の判決が「泉南アスベスト国賠訴訟の最高裁判決を待つ」との地裁の判断で延期されていましたが、3月23日(月)に判決公判が開催されることが決まりました。
アスベストによる健康被害が世界的に明らかになっていた1960年代から70年代に抜本的な対策、輸入・使用規制を国の責任で実施しておれば、これだけの被害拡大はなかったはずです。しかし、この裁判を通して、国もクボタも一切責任を認めようとしませんでした。この態度がアスベスト被害者救済を困難にしている原因です。傍聴席を埋めつくしましょう。

判決当日の行動
3月23日(月)12時45分に集合

集合場所  JR神戸駅北・湊川神社前、または神戸地裁前に集合
判決公判は午後1時15分から始まります。
判決後の報告集会   兵庫県弁護士会館ホール(神戸地裁の東側です)

以上

2015年1月5日

最高裁への「いのちと健康を尊重する判決を求める」署名を重ねてお願い致します

泉南アスベスト国倍訴訟最高裁判決では、公害型の被害者は救済されません。国が危険性を知りながらアスベスト輸入・使用を続けさせたことが甚大な被害者増の要因です。

新しい年を迎えました。今年もよろしくお願い致します。
今日のアスベスト問題の契機となった、いわゆる「クボタショック」は、わが国の公害としての深刻な被害の原点です。クボタは、人口密集地だった尼崎市小田地域に石綿セメント管製造工場を建設し、1954年から1995年までの42年間に、約238,064トン(内、白石綿の500倍の危険性がある青石綿88,671トン)もの大量なアスベストを使用ました。クボタが「石綿を取り扱ってきた社会的責任」として「救済金」を支払った被害者は271人(2014年9月末現在、クボタから1.5Kmの範囲)になります。大阪高裁が「飛散範囲は300m」とした判断は、加害企業が認めた範囲を極端に狭くした不当なものです。 (続きを読む…)

2014年12月25日

最高裁に17,806筆の署名を提出(第一次分)

「アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会」は、12月24日、最高裁判所に「国とクボタの責任を問う尼崎アスベスト訴訟 住民のいのちと健康を尊重する公平、公正な判決を求める署名」17,806筆分を提出しました。

今回の提出は、12月23日までに事務所に届けられたもので、今後は順次、追加提出していきます。

以上

2014年10月8日

労災型・神戸地裁に署名985筆を追加提出 累計で11,096筆

尼崎アスベスト訴訟(労災型)の神戸地裁判決が延期されていますが、尼崎の会は9月1日の第一次提出(9,373筆)につづいて、9月18日に二次として738筆を追加提出、10月8日に第三次として985筆の「労働者のいのちと健康を尊重する公平、公正な判決を求める署名」を追加提出しました。累計で11,096筆となりました。
                                                          

2014年9月19日

労災型・神戸地裁に署名を738筆追加提出 累計で10,111筆

尼崎アスベスト訴訟(労災型)の神戸地裁判決が延期されましたが、尼崎の会は9月1日の第一次提出(9,373筆)につづいて、9月18日、二次として738筆を追加提出しました。累計で10,111筆となり、目標としていた1万筆を突破することができました。

以上