2015年2月20日

最高裁がクボタの責任を認め、賠償が確定

クボタ旧神崎工場(兵庫県尼崎市)周辺の住民に中皮腫などの健康被害が多発しているのは、工場からのアスベスト飛散が原因、国が適切な規制を行わなかったことも被害を拡大させたとして、2遺族がクボタと国の責任を求めた訴訟で、1遺族についてクボタの責任を認め、同社に約3200万円の支払いを命じた大阪高裁判決が確定しました。
最高裁判所第三小法廷(大谷剛彦裁判長)が17日付で、原告とクボタ双方の上告を棄却し、高裁判決が確定したものです。アスベスト工場の周辺住民の被害について、加害企業の責任を認める(ただし、大阪高裁が認めた飛散範囲は、工場から300mと被害実態とはかけ離れたもの)判決が確定したのは初めてのことです。

原告と弁護団が記者会見

原告、弁護団、アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会(以下、「アスベスト尼崎の会」)は19日、神戸地裁司法記者クラブで記者会見し、八木和也弁護団事務局長が「旧神崎工場周辺における住民の被害は現在でも増加の一途をたどっており、その被害範囲は優に半径1.5kmに及んでおり、最高裁決定はこの歴然たる事実を無視する不当なもので、弁護団、『アスベスト尼崎の会』としては到底受け入れられない」「アスベスト被害は決して過去の問題ではなく、今なお中皮腫等の被害が拡大しており、引き続き被害者の救済に全力を挙げ、国・加害企業の法的責任範囲の拡大をめざし、活動を続ける」との声明を発表しました。
原告の勝訴した山内康民さんは「クボタは『社会的責任』として『救済金制度』を運用しているが、この判決で少なくとも法的責任を認めさせることができた。しかし、国の責任を不問としたのは許せない」と語り、賠償が認められなかった保井祥子さんは「中皮腫が全身に転移し、痛がり、苦しんで母は亡くなった。最高裁は、いったい母は誰のアスベストで殺されたというのですか」と訴えました。
「アスベスト尼崎の会」の粕川實則事務局長は「非常に残念な決定だ。尼崎の中皮腫死亡率は、全国平均の10倍、クボタ周辺では50倍以上となっている。被害者の相談は絶えることがない。有効な検診制度の確立を国に求めたい。あわせて、マスコミの皆さんに、アスベスト被害を風化させることなく報道してほしい」と訴えました。

以上