2015年9月1日

クボタショックから10年 被害者救済の漏れをなくせ

堀内照文議員が衆院厚生労働委員会で質問

日本共産党の堀内照文衆議院議員は7月31日、厚生労働委員会で、アスベスト被害者救済の漏れをなくし、完全救済するよう厚労省、環境省に迫りました。
中皮腫やアスベストによる肺がんなどが工場周辺住民にまで及んでいることが発覚した、いわゆる「クボタショック」(2005年6月)の翌年に、国がつくった「石綿健康被害救済法」は、国が責任を認めた賠償制度でなく、責任を曖昧にした「救済」法で、死亡時の支給額は葬祭料込みで300万円足らずの低水準に抑えられており、2015年1月31日現在の認定率も、中皮腫で83%、肺がんで46%、石綿肺で24%、全体でも72%と低い水準となっています。「クボタショック」直後に当時の小池百合子環境大臣が「隙間のない救済」を約束していましたが、「制度はつくったが完全救済はしない」というものです。
堀内議員は、クボタ旧神崎工場が大量に飛散させたアスベストにより多数の被害者をだした「クボタショック」から10年が経過した現在、現行の救済制度の対象から漏れている被害者が「数千人規模でいることが推察される」と指摘。アスベストの人体への危険性を認識していたにもかかわらず対策を怠り、2006年の全面禁止に至るまで被害を放置・拡大させた国と企業の責任を批判し、「健康管理手帳を被害者に発行し、全国どこにいても必要な検査を受けられるようにすることが重要だ」と迫りました。
堀内議員は、特に認定率の低いアスベストによる肺がんについて、「厳しすぎる基準が認定の壁になっている」として、救済制 度の見直しを求めました。
これに対して環境省は、「(救済制度は)石綿被害の特殊性に鑑み、民事上の賠償責任から離れて、社会全体の費用負担により、広く救済する仕組み」と述べ、「国には責任はない」との姿勢を示しました。
堀内議員は、「尼崎での被害の実相を考えると、クボタの責任は明らかであり、使用した企業の責任ももっと問われるべきだ。責任の所在が明確になっているのは、国だ。1972年時点で、がんの危険性が国際的に指摘されながら、『管理使用』という考え方で、全面禁止は2006年。この遅れが被害を拡大させた」と国の責任を追及、「塩崎大臣は、今後、千人ベースで、数十年被害が続くだろうという認識を示されたが、輸入使用を認めてきた国の責任は重い。救済法の給付をせめて労災並みに近づける努力が必要ではないか」と迫りました。
環境省は、「責任の有無を問わずに救済措置を実施する性格を維持する以上は、現行の救済給付を上回る変更は困難」と中央環境審議会の答申を繰り返しました。堀内議員の「厚労省には、国民のいのちと健康を守る大きな役割がある。環境省に関わる問題も多いが、厚労大臣としてのイニシアチブを発揮して欲しい」と求め、塩崎厚労大臣は「救済法でカバーしきれない方が残っている現実もよくわかった。『健康』は厚労省の責任なので、環境省と連携して考えたい」と答えました。

以上