2015年12月8日

12月4日 労災型・大阪高裁第2回弁論を85人が傍聴 

弁護団、国・クボタを免責する地裁判決の誤りを指摘

国とクボタの加害責任を問う労災型の尼崎アスベスト訴訟は4日、大阪高裁202号大法廷で第2回弁論が行われ、原告弁護団が加害企業を免責した神戸地裁判決の誤りを厳しく指摘しました。
当日は、木枯らしが吹き荒れる寒い天候でしたが、85人が傍聴し、原告の藤原ノリエさん、山本美智子さんを激励しました。
弁護団は、神戸地裁判決は「予見可能性」があるというためには①抽象的な危惧では足りない、②アスベストに曝露した水準ごとの健康被害の医学的知見の確立が必要、としていますが、これまでの確定判例では「抽象的危険ないし抽象的危惧があれば予見可能性がある」とされていると指摘。「地裁判決は、人の命や健康を犠牲にしてでも企業の制約なき利潤追求を優先するとうい倒錯した価値判断と言わざるを得ない。国の責任についても『速やかに、技術の進歩や最新の医学的知見等に適合したものに改正すべく、適時にかつ適切に行使されるべき』(筑豊じん肺事件、最高裁平成16年4月27日判決)とあるように、規制のあり方は高度化していくというのが最高裁判例の確立した考え方だ」と主張しました。
さらに弁護団は、地裁判決は医学的知見の集積状況についての認定の時期について、1955(昭和30)年のドール報告以降のがん原性に関する知見を無視する重大な誤りがあると指摘、特に1964年のWHOのテクニカルレポート(Technical Report)は、ドール報告を主たる根拠として、アスベストは十分な証拠がある職業性発癌物質であり、その疾患例として肺がんがあると報告したものと、神戸地裁判決の誤りを指摘しました。
被害者・山本さん、藤原さんのアスベスト曝露の実態を詳細に述べ、クボタ・国の責任を改めて主張し、神戸地裁判決の誤りを指摘するとともに、やクボタ及び国の主張に反論しました。
弁論後、大阪弁護士会館で報告集会が行われ、弁論に立った、八木和也、本上博丈、菊田大介、今泉華子の各弁護士が詳細に報告。原告の藤原ノリエさん、山本美智子さんが傍聴支援の謝辞を述べ、八木秀満「会」代表委員(保険医協会尼崎支部長)が閉会のあいさつをしました。
次回、第3回弁論は、2月15日(月曜日)午後1時30分から開催されます。

文責・粕川實則