2016年11月15日

尼崎アスベスト訴訟(労災型)最高裁決定に対する声明文

尼崎アスベスト訴訟(労災型)最高裁決定に対する声明文

2016(平成28)年11月14日

兵庫尼崎アスベスト訴訟原告団
アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会
兵庫尼崎アスベスト訴訟弁護団

1 最高裁判所第二小法廷(菅野博之裁判長)は,2016年11月9日付で「本件上告を棄却する」と決定し,原告らの上告を棄却し,上告受理申立を受理せず,国及び加害企業・クボタの賠償を認めなかった。
2 本訴訟は,溶接工として長年働いていた労働者と,クボタ旧神崎工場に石綿原料等を運搬していたトラック運転手が,それぞれ石綿ばく露が原因で肺ガンに罹患して死亡したため,その遺族が,溶接工については規制を怠った国に対し,トラック運転手については,規制を怠った国と労働者に対する安全配慮義務を怠ったクボタに対し,賠償を求めたものである。
3 原審である大阪高等裁判所は,その判決において,溶接工については石綿曝露の事実が認められないとして,国の責任を否定した。また,トラック運転手については,石綿原料の搬入作業を通常業務として行っていたとはいえないと認定し,新たな証拠調べ手続きを行うことなく,一審である神戸地裁判決と全く逆の事実認定を行い,原告らの請求をいずれも棄却した。
4 原審判決は,石綿に曝露したことを認めた労災認定と矛盾する判断であり,しかも,労働者が,何十年も前の石綿曝露の具体的な事実を,具体的かつ詳細に立証を強いる不当な判決である。本件最高裁の決定は,こうした不当な原審判決を確定させるものであり,我々は,最高裁の本決定に強く抗議するものである。
5 我々は,国やクボタをはじめとする石綿使用企業の責任を明確にしない限り,真の石綿被害者の救済につながらないことを訴えて,裁判闘争を行ってきた。本件裁判は,不当な結果となったが,石綿曝露による被害者は,今後も益々増え続けることを予想されるが,今なお続く深刻な石綿被害者の救済のために,国と石綿関係企業に対し,被害者に対する医療と生活面への全面的な補償制度の確立を求めるとともに,石綿被害者が真に救済されるため,我々は,裁判闘争を今後も行い,被害者に寄り添う救済活動を継続する。

以上