2016年11月15日

最高裁向けの署名活動を中止します

ご支援いただいている関係団体各位
支援者の皆さん

尼崎アスベスト(労災型)訴訟 最高裁が「上告棄却」。
これまでの署名のご協力に感謝し、署名活動を中止いたします。ご支援、ありがとうございました。

2016年11月14日
アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会
会長 船 越 正 信

尼崎アスベスト訴訟(労災型)は、溶接工とクボタの旧神崎工場にアスベストを搬入していたトラック運転手が、それぞれアスベスト曝露が原因で肺がんに罹患して亡くなったため、その遺族が、規制を怠った国、労働者に対する安全配慮義務を怠ったクボタに対し、それぞれ責任を明確にするために賠償を求めたものでした。
2015年3月の神戸地裁判決は、1961年から1967年までアスベスト曝露していたトラック運転手については、その当時、低濃度のアスベスト曝露によって重大な健康被害が生じるとの医学的な知見は確立されていなかったとして、国とクボタの責任を否定。また、1968年から1997年までアスベスト曝露していた溶接工については、労災認定を受けていたにも関わらず、具体的な作業内容やアスベストへの曝露状況が不明であり、高濃度のアスベスト曝露とはいえないとして、国の責任を否定しました。しかも、地裁判決は、従来の裁判例を否定したもので、医学的知見が確立されていない限りは労働者の健康を考慮せずに自由な企業活動ができるという、人命よりも企業活動を優先する特異なものでした。
大阪高裁も2016年5月26日の判決で、「認定事実を総合的に用いて評価するという因果関係の判断手法に関する最高裁判例」に反する不当なものでした。
ご存知のように、アスベストによる健康被害は、低濃度曝露であっても、20~50年経過後に肺がんや中皮腫発症の可能性はあるのです。私たちは、深刻なアスベスト被害に正面から向き合い、働くもののいのちと健康を尊重する、公平かつ公正な判決を下されるよう最高裁に審理の差し戻しを求めてきました。「この裁判での勝利なしに、全国で泣き寝入りさせられている労災被害者の完全救済はない」との思いから、最高裁に上告したのです。
上告理由書の審理が始まって、2か月足らずで、最高裁第二小法廷から、突然「上告を棄却する」決定通知が届きました。お願いしていました署名活動を中止せざるを得なくなりましたことをお詫びいたします。
おびただしい中皮腫や肺がんの被害が出ている全国のアスベスト被害者の立場に立った審理を尽くしたのか、最高裁の「決定」に強い憤りをおぼえます。私たちは、この不当な最高裁「決定」にくじけることなく、被害者に寄り添い、救済活動の継続と、ハイリスク者の検診制度充実、全面的な賠償制度の確立に力を注ぎます。
これまでの力強いご支援に感謝申し上げますとともに、引き続くご協力をお願い申し上げます。

以上