2017年6月29日

「クボタショック」から12年  深刻さを増すアスベスト被害

クボタの被害者は500人を超え、中皮腫発症リスクは全国平均の10倍

工場周辺にアスベストを飛散させ、深刻な被害が明らかとなった「クボタショック」から6月末で12年。
クボタはが明らかにしたクボタ旧神崎工場周辺のアスベスト被害者に対する「救済金」の支払いは、300人に及び、クボタの労働者に労災上乗せ補償をした206人とあわせて、506人が中皮腫や肺がんなどのアスベスト疾患で亡くなったり、闘病したりしています。
また、このほど公表された尼崎市の「平成27(2015)年人口動態統計の概要」によれば、2015年の中皮腫による死亡は41人(男性26人、女性15人)。増加傾向はいまだに加速しています。
中皮腫(胸膜中皮腫、腹膜中皮腫など)は、アスベスト(石綿)を吸ったことにより発生。アスベストを扱う労働者だけでなく、労働者の家族やアスベスト関連の工場周辺の住民にも発生しています。アスベストを吸い込む量が多いほど、またその期間が長いほど発症の危険性が高くなります。アスベストを吸ってから中皮腫が発生するまでの期間は20年から50年といわれ、「静かなる時限爆弾」ともいわれる所以です。
全国の中皮腫死亡者は、年間約1,400人。10万人に1人の割合です。しかし、尼崎市ではクボタが旧神崎工場(JR尼崎駅のすぐ東)で1954(昭和29)年から95(平成7)年までの41年間にわたって23万トン(中皮腫を発症するリスクが500倍とされる青石綿8.8万トンを含む)を超える大量のアスベストを使用し、石綿セメント管や建材を製造してきた影響で、1万人に1人の割合で中皮腫による死亡という深刻な被害が出ているのです。
中皮腫死亡数は、尼崎市在住者の死亡数です。尼崎で働き、定年後に故郷に帰り、故郷で亡くなった人数は当然のことながらカウントされていません。ですから、いかに深刻な事態かがわかります。

最高裁で断罪されても、いまだに謝罪しないクボタ

公害型裁判では、原告の被害者の勝訴が確定しました。クボタは、この裁判の中で「50年前の排出行為で責任を負わされるのは、企業活動の自由・財産権の侵害だ」と主張。勝訴した山内さんに、いまだに謝罪していません。クボタは、「いのちは金で買えるもの」と思っているのでしょうか。
クボタの資本金は841億円、従業員38,000人、売上高は1.6兆円の超大企業。被害者にはきちんと謝罪するなど、社会的責任を果たすべきです。

以上